2011年2月26日土曜日

捜索3日、高まる疲労=体力奪う冷たい雨―日本の国際援助隊・NZ地震

【クライストチャーチ時事】大地震で被害を受けたニュージーランド南島クライストチャーチ市入りした日本の国際緊急援助隊が救助作業を開始して、26日で3日。冷たい雨や余震による二次災害の危険に加え、生存者が見つからない焦りもあり、隊員の疲労は徐々に高まっている。
 総勢66人の援助隊は初日から、日中は2隊態勢にし、2時間交代で作業。夜間は4隊に分けて負担軽減を図るが、十分な休息を取るのは難しい。雨が降ると実際の気温以上に寒く感じる。足場は滑りやすくなり、作業効率は落ちる。隊員の体力も奪われる。
 余震も続く。救助現場は建物の側壁だけが不安定な形で残る。大きな揺れがあるたび、作業を中断して退避し、収まるのを待たねばならない。
 援助隊の吉井幸夫団長は「隊員は、気持ちを強く持っている」と語る。しかし、生死を分けるとされる「被災後72時間」を過ぎても生存者を救出できていない焦りが、疲労に拍車を掛ける。
 こうした中、ニュージーランド側の支援が、隊員の大きな助けとなっている。現場近くの公園に設営しているテントに、大型のガスストーブが運び込まれた。
 炊き出しもあり、ハンバーグやポテト料理など温かい食事を提供してもらっている。援助隊は食料を持参しているが、即席麺や冷えたおにぎりが中心。吉井団長は「気持ちの上でも全く違う。とてもありがたい」と話した。